大学職員への転職者は、ほぼ全員が民間企業からの転職です。
つまり、ほぼ全員が「異業種」への転職活動です!
条件は皆同じ。
ちょっと情報を仕入れるだけで、割と簡単にリードできますよ。
そんな異業界への面接対策として、言葉使いの切り口からの特集記事です。
辞書がわりに使えるブックマーク記事として役立てて下さい!
大学職員の面接対策「高等教育機関・研究機関」
高等教育機関・研究機関
大学の内部関係者が大学を表現するとき、「大学」という言葉も使いますが、それ以上に、
「高等教育機関」や「研究機関」
という言葉を使うことが多くあります。
面接でも、
「私が大学を志望する理由は〜」
と表現するのではなく、
「私が高等教育機関を志望する理由は〜」
と表現した方が、関係者の耳には馴染みやすく、また、応募者がそのワードを使ってもハッタリ感は全くありません。
大学職員の面接対策「教員組織」「経営パート」「事務方」
教員組織・事務方・経営パート
大学の構成員は「教員」と「職員」です。
教員は、教育と研究を実行し、職員はその舞台を整え、下支えする、といった感じです。
これを表現するときに、
「事務方として教員組織を支える働きをしたい」
とするといい感じです。
そして、教員にはもう一つ大きな役目があります。
それが、学校法人を経営すること、です。
下っ端の教員は別として、学部長クラスより上が、大学の経営に関わる主要ポジション。
企業で言うところの、事業部長や役員といった感じですね。
そういったポジションは教員が就くもので、職員が就くことはあまりありません。
とすると、職員は、教員組織を支える事務だけではなく、経営者を支える業務も多くなります。
教務課や入試課などが前者、後者は管財課や総務課、理事長室などが挙げられます。
そんなときに、
「経営パートが下した経営判断に、事務方として手続き面を具体化したい」
といった言葉使いも有効です。
大学職員の面接対策「規程・学則」
規程・学則
大学は、極度に法令を遵守する組織文化を持っています。
理由は、経営のプロがいないから、です。
例えば、昨日までは単なる歴史の先生だった人が、ある日突然、学部長や理事に選出されて「明日から大学を経営せざるを得ない」といった感じで執行部の職に就くような感じです。
企業のように、長年のビジネスキャリアがそのままマネジメントに直結するといった感じは、一切ありません。
とすると、大学経営者の日々のバイブルとなるのは、前例や慣習、ルールや(文科省の)法令に頼らざるを得ません。
裏を返せば、大学組織の根拠法となる「規程」や「学則」などを知り尽くす職員は、最上級の武器を与えられている、といった見方もできます。
そんな「規程」や「学則」の位置付けの重要性をよく理解して、面接の時にその単語をフレーズに入れ込んで話すと、職員の立ち位置をよくわかっている応募者として印象付けられます。
大学職員の面接対策「決裁機関」
決裁機関
大学組織は極めて民主的な動きをします。
小さなことから大きなことまで、全て稟議を起案し、然るべき順番で委員会や会議体に諮ることがメイン業務と言っても過言ではありません。
そして、制度に定められている決裁ルートの承認を経て、正式な決め事として業務が軌道に乗り始めます。
そのため、スピード感は「無し」の経営文化です。
逆に、オーナー企業や中小企業でよくある、朝令暮改で振り回されるようなこともありません。
そういった中で事務を動かす職員は「決裁機関」をターゲットに、日々、業務を行なっています。
(面接官)「大学職員には、どのような能力が求められると思いますか?」
といった質問が出たら、
(応募者)「自己の判断で仕事を進めるのではなく、然るべき会議体で決裁を得られるように、関連部署と情報共有できる能力が必要だと思います。」
といった感じで答えると良いでしょう。
大学職員の面接対策「教学系・法人系・研究支援」
教学系・法人系・研究支援
これは、大学を語るときの3本柱とも言える重要ポイントです。
面接前に、絶対に理解しておくべき内容でもあります。
こちらの記事で、簡潔にまとめていますので、必ず目を通しておきましょう。
大学職員の面接対策「正科・課外」
正科・課外
大学の究極目的は「学位授与」です。
入学→履修→定期試験→単位認定→進級→学位授与(卒業)
これが基本の流れ。
これを「正課」と呼んだりします。
この究極目的の周辺に「課外」と呼ばれるものがいくつか位置付けられます。
「課外」の例としては、奨学金や留学、サークル・体育会、就職活動などがありますね。
「正課」が大学の究極目的。
そして学生の人間的成長を、「課外」を通して側面からサポートする、というのが大学の基本構造です。
フレーズ的には、
「学位を出すための組織運営」
と言ったりします。
この流れを、制度や理念に当てはめて事務運営するのが、高等教育機関の職員の使命とも言い換えられます。
大学の基本構造を理解した上で、面接で自分なりの文脈でフレーズをどんどん使ってください。
大学職員の面接対策「学位授与・学士・修士・博士」
学位授与・学士・修士・博士(マスター・ドクター)
大学関係者は、「卒業」という言い方もしますが、それ以上に「学位授与」という表現を使います。
卒業と学位授与、この二つは、ほぼ同じ意味ではありますが、大学の存在意義は、学生に「学位を与える」ところに目的があるため、卒業という視点よりも、学位授与、という視点の方が馴染みやすいです。
この学位授与機構としての大学の存在意義が、小・中・高などの「学校」とは、大きく異なる点です。
それを踏まえた上で、以下の基本用語を、面接で正確に使い回せると好印象につながります。
- 学部の卒業は「学士」という学位を与えること。
- 大学院の修了は「修士」または「博士」という学位を与えること。
- 大学院の場合は卒業とは言いません。「修了」と表現します。「修士課程を修了しました」「修士号を持っています」といった感じで使います。
- 「博士」の読み方は、「はかせ」でも「はくし」でもどちらでも大丈夫です。
- 修士号のことを「マスター」、博士号のことを「ドクター」といった言い回しをするのも十分にアリです。
- 博士号のことは「Ph.D.(ピーエイチディー)」と呼ぶことも多いです(Doctor of Philosophy)。教員の名刺などでは「Ph.D.」を使う方が主流です。
(面接官)「大学職員の仕事にどんなイメージを持っていますか?」
などと聞かれたとき、
(応募者)「文科省の法令や学内規定や学則を遵守して、適正に学士や修博(しゅうはく)の学位を授与するためにも、非常に堅実で地道な事務運営が求められていると思います。」
といったコメントは、ただ何となくエントリーしてきた応募者の口からは出てこないですね。
大学職員の面接対策「世界大学ランキング」
世界大学ランキング
この「世界大学ランキング」のことを知っているだけで、大学のことに本気で興味・関心がある応募者であることを示せると思います。
普通、ランキングといえば、他の多くの応募者たちは、誰もが知ってる「偏差値ランキング」に言及してきます。
ですが、今のグローバル時代に、日本国内だけでしか通用しない、しかも高校生向けの偏差値ランキングで、その大学の真価が問われると考えている関係者は「皆無」だと思います。
研究力や論文引用数など、本筋の指標でランク付けされる「世界大学ランキング」に、是非、面接前に目を通しておくことをおすすめします。
概要はこちらの記事で解説しています。
まずはこんなところから触れてみるのもアリだと思います。
大学職員の面接対策【まとめ】
以上、面接で使いたいフレーズを8項目挙げました。
丸暗記してしまえば、一次面接レベルならかなりの確率で通過できると思います。
理由は、たったそれだけで、準備不足の他の応募者たちと差別化できるからです。
その他にも、私立大学への補助金のことを「経常費補助金」や「私学助成」と表現したり、授業料のことを「学納金(「学生生徒等納付金」の略)」と正式名称で表現したりするなど、言葉遣いだけで面接官が前のめりになってくれるようなポイントは数多くあります。
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