オーディブルで「正体」(小説・染井為人)を無料で読むべき理由をネタバレ無しで!

今回の記事は、小説「正体」(染井為人そめいためひと)について!

「正体」が気になっている人に「読むべきかどうか」、ネタバレ無しで決定打をお届けします!

「正体」をおすすめできる結論

小説「正体」のジャンルはミステリーです。

「正体」の作者、染井為人さんは「横溝正史ミステリ大賞」で優秀賞を受賞し、作家デビューした方。

推理小説ではない

とはいえこの小説、読み進めるとすぐに、結末や展開を予測できるプロット(展開)になっています。

逆に、あっと言わせるロジックや、高度なIQトリックなど、謎解きを堪能するような仕掛けはありません

予測可能なミステリー?

最初から、意図的に、予測可能な結論を匂わせつつ、それに対して、

作者は「どう答えてくる?」

もしくは「どう裏切ってくれる?」

といった作者と読者の駆け引きみたいな力学を使ったストーリーテリング。

読者の期待と、作者の裏切りが絶妙に入り乱れる展開が魅力のミステリーなんです。

読み始めると止まらない

そして「結局どうなるの??」とモヤモヤ感がイッパイイッパイになってきた頃に、

ビタッ!!

と全貌に解が出て、きれいに幕を引く物語。

こんな感じが「正体」をおすすめできるポイントです。

読むと止まらなくなる「中毒性に要注意!」な作品です。

「正体」の登場人物

登場人物はかなり多く、ざっと15人以上。

主人公の存在圧が凄い

とはいえ、主人公の存在感が圧巻です。

序盤から結末まで、主人公は5つの側面から強烈なインパクトを放ち続けます。

488日間の物語

脇役キャストがどれだけ多かろうと、話の軸は一切ボヤけません。

この主人公の、わずか488日間のヤバすぎる壮絶なストーリー。

強烈な残像が残る

どれだけ時が経っても、

「あれってどんな本だったっけ?」

なんてことには絶対になり得ない、それだけ強烈な主人公の残像が脳に刻まれる作品です。

「正体」のテーマ

テーマの一つは「犯罪」です。

犯罪者の人生とは?

一度、罪の十字架を背負ってしまうと、その後の社会生活で背負うハンディキャップは計り知れません。

銀行口座も作れず、保険証もなく、部屋の賃貸契約もできない。

個人情報に罪人のタトゥーが入り、インターネット上に残るデジタルタトゥーも半永久的に影響します。

平凡な日常とのコントラスト

でも、それでも懸命に社会生活の糧を得るため、主人公が生き抜くための必至のシーンが数多く描かれます。

そんな不遇な環境の中で出会う人々と、人間関係が構築され、禁断の恋愛シーズンもあり。

ちょっと重めで暗めの、社会の暗部に焦点があてられている舞台設定。

超常的な仕掛けはない

密室殺人とか、科学トリックとか、特殊な地位や職業人が出てくるとかはありません。

つまり、空想感はゼロです。

人間味あふれるリアリティ感満載の「ヒューマンミステリー」だと言えます。

「正体」の結末

このミステリーは、結末がある程度予測できる展開だと、最初に紹介しました。

結末は乞うご期待!

にもかかわらず、そのハードルを超えてきます。

結末は、予測できる許容範囲を超え、衝撃です。

七色の読後感

「ま、まじか!!」と驚き、

「そ、そんな〜」と号泣し、

その感情がおさまると、次に怒りが込み上げ、

ついには「よかったぁ」と喜びさえもこみ上げてくる終わり方。

染井作品の真骨頂

この作品のエンディングで、私は生まれて初めて、哀しくなり嬉しくなるという全く正反対の感情が同時に込み上げる感覚を得ました。

こんな感じが「正体」のおすすめポイントです。

ここからは少しだけネタバレ度を上げて、「正体」を読んでみたくなるエッセンスをさらに抽出してみましょう!

公表されているあらすじの範囲を超えないレベルのネタバレでいきます!

「正体」の魅力

あなたの周りにもいそうな、陰キャなんだけど、でもシュッとしてスラッとした容姿で礼儀正しい好青年。

大人から好かれそうな若者。

主人公は鏑木慶一

主人公はそんな感じの18歳で、読書好き、本名は鏑木かぶらぎ君。

鏑木君は殺人を犯してしまいました。

幸福絶頂期の若い一家三人の家に侵入し、全員を惨殺し、切り殺します。

列島を揺るがす凶悪殺人犯となり、人々の記憶に永遠に刻まれる殺人鬼として、連日、メディア報道にもまつりあげられます。

脱獄死刑囚の物語

物語は、この鏑木死刑囚の脱獄後から始まります。

脱獄犯としての、「逃走」と「生活」の物語が始まるんです。

各章の最後は、

「も〜ダメ!」

「あ〜詰んだ!」

とギリッギリまで心拍数をMaxにさせられます。

上がって下がる王道の展開

まず、この現実味のあるハラハラ感の連続が「正体」の魅力です。

読み出しから展開が巧妙なので、途中離脱することはまずないでしょう。

「正体」の舞台

舞台となるのは、生き抜くために、転々と変えていく鏑木君の職場が中心です。

舞台はごく普通の社会

  • 建設現場でバイト(東京)、
  • ネット企業のライター(東京)、
  • スキー場の住み込みバイト(長野)、
  • パン工場でバイト(山形)、
  • 介護施設でバイト(千葉)。

こんな場所で、平凡な日常と際どい逃走との綱引きが繰り広げられます。

社会派の側面もある

何度も職を変え、必死で生計を立てる。

見方を変えれば、意志さえあれば人は何度でもどこでもやり直せる、という社会的なメッセージも感じられます。

大きなねじれが出始める

しかし鏑木君は脱獄死刑囚。

耐え続け、逃げ続けられる原動力は、もちろん脱獄犯のなせる思考回路にあるのでしょう。

と考えるのが自然ですが、ある段階でモヤッとしたシーンがいくつか出始めます。

読み進めるにつれ、「逃げる執念」が単なる犯罪や逮捕からの逃走ではないことに読者は気づき始めます。

「なぜ?」

「正体」のメインテーマ

最初はハラハラの逃走劇がメインだったのに、いつの間にかこの「なぜ?」がだんだんとメインテーマに移ってきます。

作者:染井為人流のトリック

この辺の物語設計は「(作者の)染井為人さんスゲー!」と、後からひれ伏してしまいました。

染井為人さんは、人間心理の奥深い部分を掘り下げて描くことで知られています。

第二の魅力ポイント

ここが、この作品の第二の魅力。

鏑木君がなぜ逃走に執念を持っているのか。その裏の心理描写が一言一句気になり始めます。

「逃げているのではなく、何か別の目的に向かっている?」

「それは何?」

巧妙な心理描写

この描写が、「正体」をヒューマンミステリーと称する原動力でしょう。

この疑問のうねりに呑み込まれたらもう最後。

後は読了するまでノンストップ!覚悟してください!

「正体」の結末

結末は衝撃です!

人の感情には喜怒哀楽がありますが、この物語の終わり方は、人によって喜怒哀楽のどれにでもなり得ます。

私は大泣き(哀)のパターンでした。

「正体」にハマりそうな人

この小説にハマりそうな人は、

  • 上がって下がる、ハラハラの急展開が好き
  • 身近な世界観の現実的フィクションが好き
  • 特殊な上級国民っぽい登場人物はいらない
  • トリック解読や謎解き系の展開はいらない

といったタイプの人でしょう。

犯罪がテーマとはいえ、明日は我が身に置き換えられるほど、身近で人間味ある舞台設定が「正体」の特徴です。

「正体」がハマらないタイプ

作品レビューで、(数少ない)低評価のコメントは以下のような感じです。

  • 途中から結末が予想できる。
  • 結末は逆にして欲しかった。
  • 文体や文章に深みが欲しい。
  • 警察の動きがやや現実離れ。

ネガティブなコメントですが、実際読んでみると分かると思います。

「ま確かにその通りかも」

「でもね・・」と、必ず自分なりの受け取り方で熱い議論に広げられると思います!

「正体」の読み方(聴き方)

本記事は、Amazonのオーディブルで読んだ(聴いた)作品としてレビューしています。

「正体」をオーディブルで読む場合は以下の通りです。

  • 「正体」の概要
  • オーディブルって何?
価格無料(課金なし)
再生時間20時間3分
総合評価4.7
ナレーション評価4.8
価格は、時期によっては有料になる可能性もあります。

再生時間は、1.5倍速くらいがちょうどいい感じ。

オーディブルなら三日あれば読み(聴き)切れます。

レビューコメントは、読むとネタバレコメントのオンパレードなので、ガックリしたくない人はレビューコメントは事前に読まない方がおすすめです。


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「正体」の舞台裏

その他「正体」が話題となっているトピックを紹介しましょう!

ドラマ版「正体」

「正体」は2020年に発表されました。

瞬く間に話題作となり、2022年にテレビドラマ化。

ドラマでの主役は亀梨君が演じています。

その後「プライムビデオ」で無料(課金なし)で見放題配信されています。

ドラマ版は、原作とはストーリーを大きく変えているため、ドラマ版「正体」の評価は賛否両論というのが実際のところです。

見放題対象作品

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関連記事;初めてのプライムビデオの基礎講座

映画版「正体」

2024年11月29日に劇場公開。

主演は横浜流星さん、監督は藤井道人さんです。

(本記事の執筆段階ではまだ公開されていないので、公開後、ネタを更新しますね!)

「正体」は実話?

「「正体」は実話ではない」、と作者の染井さんがあるインタビューで語っています。

ただ、似たような社会問題に触れたことが本作の題材となった、とも語っています。

「染井為人」のおすすめ作品

染井為人さんは1983年生まれ、千葉県出身、元芸能マネージャーだった方です。

サッカー選手を目指していた時期もあったということもあって、自然体のイケてる感がある容姿。

でも、社会に出て人間関係に疲れて、人との関わりがキツくなって、そこから逃げるようにして小説家という人生に舵を切ったそうです。

そんな染井さんの作品は、日々の社会面を賑わすニュース的なネタが題材になっている作品が多いです。

中でも編集部おすすめは、染井さんのデビュー作でもある「悪い夏」。

聴き放題対象作品

生活保護の受給者の闇、アウトロー組織の悪徳で巧妙な手口、を軸にして描かれた、ウェットな社会問題をスパッと切り裂く作品です。


以上です!

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